スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

6月, 2021の投稿を表示しています

法要に参列する前に知っておきたいこと

法要とは 仏教では、一定の期日ごとに法要(ほうよう)を営んで死者を弔います。一般的には会食を伴います。飲食とお土産で結構な金額になります。ただし、法要にくる人は、香典とは別に「御仏前」を持参してくれることになっています。最近は会費制で行うこともあります。 法要を法事ということがあります。ほとんど同じ意味ですが、お坊さんにお経をあげてもらうことを「法要」、その後の会食が入ると「法事」と使い分けることもあります。 法要の準備 法要の次の手順で手配します。 □ 寺と相談して日時や場所を決める □ 案内をして出欠を確認する □ 会食の予約をする □ 引き出物の手配をする 法要の種類 忌日法要 法要のうち、死後49日まで7日ごとに営む法要を忌日法要(きにちほうよう)といいます。三十五日または四十九日が、忌明けの法要になります。忌日という言葉は、本来は故人の死亡した日と同じ日付の日をいう言葉です。 初七日(しょなのか) 二七日(ふたなのか) 三七日(みなのか) 四七日(よなのか) 五七日(ごなのか)三十五日(さんじゅうごにち) 六七日(むなのか) 七七日(なななのか)四十九日(しじゅうくにち) 百か日 ここまでは、一般的には「忌」をつけません。次の1年目は「周忌」、その後は「回忌」をつけます。 年忌法要 亡くなって一年後から営む法要を年忌法要(ねんきほうよう)といいます。 一周忌(いっしゅうき) 一周忌だけは「満」で数えます。死亡した翌年に行います。一周忌までが喪中(もちゅう)であり、以降「喪が明ける」ことになります。 三回忌(さんかいき) 一周忌以降は「数え」で数えます。亡くなった年も入れて数えるので、亡くなってから2年目が三回忌となります。 七回忌以降 七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌を行います。一般的に、七回忌が終わると以降の法要は身近の人だけになります。三十三回忌をもって完全に成仏したとされ「弔い上げ」ともいいます。 逮夜 忌日の前夜、年忌の前夜を逮夜(たいや)と言います。僧侶を招いて読経により故人の冥福を祈ります。遺族の負担が大きいので現在はほとんど行われていません。 法要の簡略化 葬式が終わって最初の法要を、初七日から百か日の法要をまとめて一回に終える場合があります。これを「百か日までの取り越し法要」と言います。 葬式に連続して執り行わ

葬式に参列する前に知っておきたいこと

葬式とは 葬式は、亡くなった人と生前関係があった人たちが集まり最後の別れをする場です。同時に、仏式で行う場合は、亡くなった人をこの世から仏の元に送り出す儀式でもあります。 私の地方で行われている葬式のやり方を紹介します。地域・宗派によって異なるので参考にならないところもありますがご了承ください。 葬式の流れ 遺族着席 喪主、遺族、親族、関係者は、参列者の挨拶を受けるため、開式の30分前に席に着きます。 参列者着席 参列者は、祭壇に向かって焼香し、遺族に挨拶し、誘導された席に着席します。 遺族は、椅子席の場合は、立ち上がって挨拶を受けます。 開式 司会者が開式を告げます。 「ただいまより、故〇〇〇〇様の葬式を執り行います。本日の導師は菩提寺〇〇寺のご住職さまです。」 僧侶入場 一同は、一礼か合掌で僧侶を迎えます。 僧侶の読経 読経と受戒や引導などの仏教儀式が行われます。 焼香 僧侶から合図を受けた司会者が焼香(しょうこう)の開始を告げます。 「御焼香をおねがいいたします。喪主〇〇〇〇様、・・・・・・」 「続いてご参列の皆様に御焼香をおねがいいたします。御順におねがいいたします。」 焼香のやり方は宗派によって細かな違いがありますが、他宗派の葬儀でも自分の宗派のやり方でやって問題ないとされています。 焼香の間読経が続きます。 どの範囲まで焼香をしてもらうかは参列者数によって違います。 その場合、事前に「御焼香はご親族様までとさせていたきます。一般参列者の皆様はお帰りの際に御焼香をお願い申し上げます」と断りを入れておきます。 焼香が終わるまでが仏教儀式としての葬式です、以後の弔事弔電は故人に別れを告げる告別式の部分です。通常は一連の流れで行うので特に告別式に切り替わったことを告げることはありません。 葬式と告別式では、正式には遺族の位置が異なるので、ここで、僧侶がいったん退出し、遺族が席を移動をしてから告別式にすることもあります。そのままの位置で続けてもかまいません。 弔辞 「〇〇〇〇様からご弔詞をいただきます」 社葬などの場合は、弔辞の前に葬儀委員長の式辞が入ります。個人の葬儀では式辞はありません。 弔電 「弔電を頂いておりますのでご披露申し上げます。」 数通を電文とお名前を読み上げます。 「以下、お名前のみご披露させていただきます」 弔電が多い場合は、司会が読み上げるの

通夜に参列する前に知っておきたいこと

通夜とはなにか 仏式の葬儀では、葬式の前日に通夜(つや、所によっては、つうやと読みます。)を行います。 通夜は、本来は、亡くなった人をしのび、夜を徹して供養することです。しかし、現在は簡略化され、夜通し弔うことはめったにありません。 通夜は、葬式以上に地域による違いがあるので注意しましょう。 1.一般参列者は葬式の方に行く。通夜は身内、あるいは親しい人が行く。 2.一般参列者は葬式の方に行く。通夜は招かれた人だけが行く。 3.一般参列者は通夜の方に行く。葬式は身内だけ、あるいは招かれた人だけが行く。例外的に、通夜に参列できなかった人は葬式に参列してもよい 大きく分けると以上の3つです。 注意しなければならないのは、2です。「招かれた人」が想定されている通夜では、予定した人数で「通夜振舞(料理)」を準備します。想定外の人が参列すると(すぐに帰ればよいのですが、勝手が分からずにモタモタしているとお膳を用意しなければならず)迷惑になるのです。 2ほどでなくても、一般参列者が通夜に行くべきか葬式に行くべきかが決まっている地域では、間違えて行けば戸惑います。慣れない土地では、地元の人に聞いてから参列しましょう。 通夜の作法 何事にも初めてということがあります。初めて通夜に行ったときのことは誰のお通夜だったかも覚えていませんが、不慣れでご焼香をどうするかもわからず、隣の人のやり方をみながらぎこちなく行ったことだけは記憶にあります。以下で、私の地方で行われている通夜のやり方を紹介します。地域・宗派によって異なるので参考にならないところもありますがご了承ください。 流れとしては葬式とほぼ同じです。葬式で行われる受戒・引導はまだ行われないので、僧侶の読経が違います。弔辞・弔電は、通常は葬式で行いますが、通夜で行う場合もあります。 遺族着席 喪主、遺族、親族、関係者は、参列者の挨拶(お悔み)を受けるため、開式の30分前に席に着きます。 参列者着席 参列者は、祭壇に向かって焼香し、遺族に挨拶(お悔み)し、誘導された席に着席します。この際、従前は、遺族は着座のままでも構わないとされていましたが、今では椅子席の場合がほとんどなので、立ち上がって挨拶を受ける方が自然です。 開式 司会者が開式を告げます。 「ただいまより、故〇〇〇〇様の通夜の儀を執り行います。本日の導師は菩提寺〇〇寺のご住職さま

葬儀には仕切ってくれる人とお手伝いしてくれる人が必要です

葬儀を仕切ってくれる人 葬儀を行うときに準備や進行を中心になって仕切ってくれる人を一般的に世話役といいます。 喪主は、心身ともに疲れている場合が多いですし、弔問客の応対などで雑事に手が回らないのが普通です。また、経験等が少なく何も分からない喪主もいます。 そこで、親せきや知人のなかから、周りに信望があり、かつ葬儀について手慣れている人に世話役をお願いするのが一般的です。 世話役は喪主の意向を聞きながら、葬儀を取り仕切ります。 世話役を決めたら、葬儀社、菩提寺、その他の窓口は世話役に一本化します。外部への連絡は世話役の指示か了解を得てからすることにし、またその結果を世話役に報告させるようにします。 お手伝いしてくれる人 世話役の下にいくつかの係を置きます。葬儀の規模が大きい場合は、役割分担をした方がスムーズです。 ただし、小規模であれば無理に細分化する必要はありません。不必要な係があると逆にギクシャクすることがあります。 係も周囲に信頼されている人にお願いするべきです。成り行きで無責任な人にお願いしてしまうと大変なことになります。 葬儀における係には次のようなものがあります。 司会 通夜、葬式等の司会進行を務めます。式次第を作成し、僧侶や葬儀社と事前打ち合わせをします 弔電を読み上げるのも司会の役割なので(司会補佐役に弔電読みをしてもらうこともあります)弔電を読み上げ順に並べ替えたり、振り仮名をふったりでけっこう忙しいです。 会計係 支払いの管理や出納帳の記載、香典の管理や記録の作成、その他葬儀に関する経理全般を担当します。 お金に関する仕事ですから、原則として近親者のなかで、できるだけ会計的な知識のある人から選びます。 会計係になったら、支払いの際は必ず領収書をもらうことを徹底し、仮払いで渡す際は、面倒でもいちいち伝票によるのがよいでしょう。 受付係 通夜、葬儀の入り口で香典を預かり、記帳を受け付ける係です。弔電、供花、花輪などの窓口にもなります。 通夜振舞係 通夜振舞の酒食を用意します。 その他の係 その他、駐車場の交通整理や案内、玄関での下足預かり、コート預かり、配車の係を必要とする場合もあります。 地域・事情によって異なるところがあります。ご了承ください。 トップページ > 身近な人が亡くなったら >このページ

葬儀の準備は次のように進める

遺体の安置場所を決める ほとんどの人は病院か介護施設で最期を迎えます。清拭などの処置が終わると、遺体を搬送しなければなりません。 この場合、葬儀を任せる葬儀社が決まっていなくても、病院と提携する葬儀社に遺体の搬送だけをしてもらうことができます。 ただし、葬儀は別な葬儀社に依頼したいと考えているのであれば、搬送のみの依頼であることを事前に、明確に伝えておかなければなりません。曖昧にしていると、搬送した葬儀社がどんどん話しを先に進めてしまうことがあります。 遺体の搬送先で多いのは自宅です。故人をいったん家に帰してやりたいということもあり、遺族にとっても、自宅で落ち着いて今後打合せを行うことができ、安置についての費用もかからないからです。 最近は、住宅事情や近隣への気遣いから自宅ではなく、葬儀社が運営する葬儀場の霊安室に安置することも多くなりました。 遺体を自宅以外に安置するのであれば、安置する施設のある葬儀場等を早急に決めなければなりません。心当たりがある場合はすぐに連絡をとりましょう。よく分からない場合は、それらの手配をしてくれる葬儀社を早急に決める必要があります。 喪主を決める 葬儀を行うには喪主(もしゅ)を決める必要があります。喪主というのは葬儀の主催者です。喪主の名で死亡の通知を出し、葬儀の儀式においては主催者としての務めをはたします。さまざまな費用についての責任者でもあります。 故人の配偶者が喪主をつとめるのが一般的ですが、長男がつとめる場合もあります。故人が独身であれば親がつとめます。ただし、喪主の決め方について法的・宗教的な制限はないので、遺族が合意すれば誰が喪主になっても構いません。 世話役を決める 原則として葬儀の一切は喪主が取り仕切りますが、喪主は弔問客の応対などで雑事に手が回らないことがあります。また、経験が少なくて葬儀の進め方が分からない喪主もいます。 そこで、親せきや知人のなかから、周りに信望があり、かつ葬儀について手慣れている人に世話役をお願いするのが一般的です。世話役は喪主の意向を聞きながら、葬儀の進行や事務的なことを処理します。 葬儀社を決める 世話役の次は葬儀社を決めます。場所や評判を考慮して選定し、できるだけ早く連絡をとりましょう。日曜だからとか夜だからとかの遠慮は要りません。ほとんどの葬儀社は曜日時間に関わらず対応してくれます。 故

交通事故の調停と裁判

調停とは 示談が成立しなかったときは、調停または裁判になります。 調停とは、一口に言えば第三者が入った話し合いです。裁判所の中で行いますが、裁判ではなくあくまでも話し合いです。 調停の窓口は簡易裁判所です。調停は原則として相手方の住所を所轄する簡易裁判所に申し立てます。 調停は、被害者だけではなく加害者側からも申し立てが可能です。被害者からの要求があまりにも理不尽と思えるときは、調停も一つの手段です。 調停の申し立ては、所定の調停申立書に、申立人と相手方の住所・氏名・連絡先、申し立ての趣旨、交通事故の内容や損害額などを記入して行います。 調停の進み方や手数料については、裁判所ホームページに詳細が掲載されています。 → 裁判所|民事調停 申立書が受理されれば、調停日時の決定のため裁判所から連絡が来ます。 日時が決定すれば、相手に呼出状が送付されます。 調停の日には、原則として当事者が別々に調停室に入り、調停委員に対して自分の主張を述べることになります。調停委員は内容を整理し、解決策を提示します。 ここで合意できれば、調停調書が作成されます。調停調書は確定判決と同じ効果があるので、合意内容を履行しない場合には強制執行手続きの申請が可能になります。 相手方は調停をボイコットすることはできませんが、解決案を拒否することはできます。拒否されると、調停不調といって、その時点で終わってしまいます。その場合には、裁判ということになります。 裁判とは 裁判は、交通事故の損害賠償問題解決における最終手段です。 交通事故の損害賠償の取り決めを行う方法は、まず「示談」、そして前段で説明した「調停」、次に「裁判」です。 訴訟で争って問題解決を図るのは、簡単なことではありません。 勝てば示談より高い賠償金をとれるかもしれません。しかし、思うような判決が出るとは限りません。示談で示された金額よりも減額されたり、まったく取れなくなることもあり得るのです。 裁判になってしまった以上は、何としても勝たなければ意味がありません。弁護士を雇い、全力で裁判に臨みましょう。 一般の人は、裁判を起こすにはどうすればよいか、あまり知識をもっていません。ネットなどで勉強することはできますが、やってみないと分からないことが多いものです。そこで、専門家である弁護士に依頼するのが一般的です。 ですから、まずは弁護士を探し

交通事故の過失割合

過失割合とは 交通事故の過失割合とは、交通事故に対する責任の割合のことです。通常は当事者が契約している保険会社の担当者が話合い、過失割合を決定します。 一般的にいえば、被害者は、加害者に対し、損害賠償請求することができます。しかし、被害者側にも不注意、過失などの落ち度があるときは、損害のすべてを加害者に負担させることができません。 過失割合によって賠償額が決まる 例えば、被害者が受けた損害の総額が100万円だったとした場合、一見して加害者が全面的に悪いと見えるような事故であっても、加害者と被害者の過失割合が80:20に決まれば、被害者は、損害の80%、80万円しか加害者に請求できません。残りの20万円は自己負担になります。 もし、この決定前に、治療費全額を保険会社が病院に支払っていると、過失割合によっては過払いになり、その分を被害者から回収しなければならないことになります。 実際は、慰謝料などもあるので、治療費も出ないということは少ないと思われますが、全部相手の負担になるわけではないことに留意が必要です。 過失割合の決まり方 過失割合の決まり方は過去の裁判例の蓄積等を踏まえてマニュアル化されています。 裁判所や弁護士などの実務家の間で広く利用されているのは、判例タイムズ社という会社が発行している「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」です。 これには、自動車と自動車の事故、自動車と二輪車の事故、自動車と歩行者の事故など事故の当事者ごとに場合分けされていて、事故の態様に応じてそれぞれの当事者の過失割合の基準が書かれています。 保険会社では、これに沿って相手方と交渉し過失割合を決めます。 例えば、こんな内容です。 信号機のない、見通しがきかない交差点で自動車同士が出合い頭に衝突した場合。 一般的には交差点では左方車が優先です。ところが、左右の見通しがきかない交差点であって、交差する道路の幅員が同じ場合は、両車ともに徐行義務があります。この場合、両車が同程度の速度だった場合の基本割合は、左方車:右方車=4:6となります。 これにどちらが減速したか、あるいはしなかったか、などいろいろな要素が加味され、場合によっては、優先道路であっても、過失割合が逆転することがあります。 交差する道路の幅員が違う場合は、広い道路を走行:狭い道路を走行=3:7となります。 一方があきらかな

交通事故の示談

示談とは 示談とは、裁判手続きを利用せず、交通事故の当事者間で、あるいは保険会社の担当者や弁護士などを通じての話し合いによって、損害賠償に関する合意を成立させることを言います。 示談のための話し合いを示談交渉と言います。 合意すると、その内容を記載した示談書が作成され、双方の署名捺印が行われて成立となります。 話し合いで解決しなければ、調停や裁判ということもありますが、交通事故のほとんどは示談で解決しているようです。 現場では、お互いに免許証などで相手を確認し保険会社を教えます。また、それぞれの保険会社に速やかに連絡をとりましょう。 特に加害側になったときは、保険会社の存在は重要です。 保険会社が示談交渉に対応する 任意保険には、運転者に代わって示談交渉を行う「示談交渉代理」サービスが付与されていることが多いため、加害側となってしまった運転者が保険を利用して損害賠償金を支払う場合には、ほとんどの場合は保険会社が交渉の窓口となります。 お金を出すのは保険会社ですから、当事者であっても勝手にやってはいけないのです。 勝手に話しを進めて、あとで保険会社からそれには対応できないと言われたときに困るのは加害側の運転者です。 被害事故でも過失割合というものがあるので、自分が加入している保険会社への連絡は必須です。 示談交渉を始めるタイミングも、プロである保険会社の方が良く承知しています。ただし、担当者が忙しかったりいい加減だったりすれば、タイミングを逃すことがあるので、気になるときは、担当者に電話して状況を把握しましょう。 加害側が示談を急ぐときは 加害側が警察も呼ばずにその場での解決を提案することがあります。 仕事に間に合わない、時間がない、などの理由で、多少多く払っても、その場で片づけたい場合が多いと思われます。 他には、交通違反で点数がギリギリで、今回の事故で行政処分を受けたら免許が取り消しになってしまう、などという場合もあります。 場合によっては、何かの犯罪に関係のある人が警察と関わりたくない場合かもしれません。 何らかの事情がある人は、必死ですから、いろいろなことを言います。「会社をクビになる」「会社がつぶれる」「親が危篤だ」と言う例もあるそうです。気持ちが動くかもしれませんが、それでも、事故現場で示談をしてはいけません。 事故を起こした相手を信じてしまうのは、とても

交通事故と健康保険

交通事故の治療費は誰が負担するか 交通事故で負傷したら、当然病院などで治療を受けます。また、自覚症状がなくても、念のために受診することがあります。 治療費の支払は、最終的には過失割合に応じて双方で負担することになります。 → 交通事故の過失割合 最終的には過失割合によって負担するとしても、当面の病院での支払はどうなるでしょうか。 どちらかが払わなければなりません。 加害者が加入している保険会社がすぐに対応してくれれば、最初から治療費の請求は加害者側に行われ、被害者が立て替えをする事は避けられます。 また、加害者が加入している自賠責保険の仮渡金制度を利用する方法もあります。 健康保険は使えるか 交通事故の治療費を、保険会社から入る前に、被害者の方で立て替えて支払うこともあります。 この場合、健康保険を使えれば、当面の支払額が抑えられます。 ほとんどの場合、交通事故による治療には健康保険を利用することができます。また、健康保険を使って不利になることはありません。ただし、使えないケースもあるので注意が必要です。 業務上災害による負傷については、労災保険が適用されるので健康保険は使えません。被害者にとっては労災保険は10割負担してもらえるので有利です。ただし、交通事故の相手がいる場合は、第三者の行為であることを労災保険に届けなければなりません。労災保険から後日加害側に請求します。 本人の無免許運転、酒酔い運転などの法令違反による負傷は、そもそも健康保険が適用されない可能性が高いです。この場合は、健康保険だけでなく、自動車保険も適用されない可能性が高く、最悪の状態になります。 第三者の行為の関係 健康保険が使えない例は、上述の他に、「第三者の行為による負傷」というのがあります。原則として健康保険が使えません。交通事故による負傷も第三者の行為による負傷なので、これを適用すると、交通事故に健康保険は使えないということになります。 しかし、保険者(協会けんぽや健康保険組合)に「第三者行為による傷病届」を提出すれば、健康保険の使用に問題はないはずです。 旧厚生省が出した、昭和43年10月12日保健発第106号「健康保険及び国民健康保険の自動車損害賠償責任保険等に対する求償事務の取扱いについて」という通達に、「自動車による保険事故も一般の保険事故と何ら変わりがなく、保険給付の対象となる

実況見分と交通事故証明書

実況見分とは 事故を警察に通報すると警察官がやってきます。 警察官は、事故現場で、タイヤのブレーキ痕を測定したり、車両の状態をみたり、事故の当事者や目撃者から話を聞いたりします。これを実況見分といいます。 通常は、事故発生直後に事故当事者の立ち合いの元で行われます。 実況見分のあとに、その内容を文書化した実況見分調書が作成されます。 実況見分調書は、過失割合を決める大きな役割を果たし、裁判において事故状況を証明する最も重要な証拠となります。 当事者としても、警察官が到着するまでに、可能な状態であれば、スマホなどで記録をとっておけばよいでしょう。また、目撃者を確保し、名刺をもらうか連絡先を聞いてメモしておきましょう。 すぐに救急車で搬送される場合は、当然事故直後の実況見分に立ち会うことができません。 当事者の一方がいなくても、実況見分は行われますが、本人が立ち会えないので、加害側の主張が通りやすい状況であるのは否めません。 後日、万一、事実が記載されていない書類を示されたときは、署名捺印しないことが大事です。保険会社に相談し、場合によっては弁護士に相談しましょう。 交通事故証明書とは 保険の請求には、自動車安全センターが発行する交通事故証明書が必要になります。次のサイトから発行の申請ができます。 自動車安全センター|交通事故に関する証明書 交通事故証明書は、実況見分調書や供述調書をもとに作成されます。 交通事故証明書には、事故原因、過失割合、損害の程度などは書かれていません。あくまでも、「このような事故があった」という事実を証明するものです。 しかし、事故の当事者を「甲」「乙」と記載します。一般的には「甲」の過失割合が高く、「乙」が低いとみられるので、この証明書を見た保険会社の担当者や、弁護士、裁判所は、「甲」を加害者、「乙」を被害者と見なす傾向があります。 ですから、実況見分や聴取では、しっかりと自分の主張を述べることが大事なのです。 トップページ > 交通事故を起こしたら >このページ

警察への通報義務

警察に通報する義務がある 交通事故が起こったら、運転していた人は警察に通報しなければなりません。 もちろん、負傷者救護と救急車の要請が優先です。次に警察に通報し、事故の報告を行うことは道路交通法に定められた交通事故当事者の義務です。 相手が警察への通報を渋っても、いろいろ理由を言ってきても、警察に通報しないということが、特に被害者には何の利益もありません。それどころか、あとで大変な損害を被ることがあります。 道路交通法第72条第1項後段 この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官か現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。 交通事故を警察に報告しないことは違法です。必ず警察に通報を入れましょう。 通報後の注意点 現場に来た警察官には、誠実に事実を伝えましょう。 警察官は、当事者の証言と現場検証を元に、事故の状況について実況見分書を作成します。 →実況見分と交通事故証明書 警察への通報や報告を行わないと、実況見分書が作成されず、よって、保険の請求などに必要な交通事故証明書の交付を受けることができません。せっかく掛けている自動車保険が使えないことになりかねません。 トップページ > 交通事故を起こしたら >このページ

負傷者の救護

負傷者の救護が最優先 交通事故を起こしたら、負傷者の救護が最優先です。 道路交通法第72条第1項前段 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。 上記義務に違反するといわゆる「ひき逃げ犯」になってしまいます。 交通事故を起こしたにもかかわらず、負傷者を救護せずその場を去る、いわゆるひき逃げは、救護措置義務違反、または危険防止義務違反として5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。さらに、被害者が死亡していたり負傷していたりすると、過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪などが加わります。 また「ひき逃げ事故」の行政処分は35点、欠格期間が3年。ひき逃げ死亡事故は55点、欠格期間が7年。酒酔いひき逃げ死亡事故となると90点、欠格期間は10年となります。 具体的には 交通事故が起こったらまず自動車の運転を止め、負傷者がいるかどうかの確認を行わなければなりません。負傷者がいる場合は、まず大きな声で呼びかけ、意識があるかどうか確かめます。同時に救急車を呼びます。 ケガは出血だけではありません。外傷がないケガもあります。事故直後は興奮状態にあるので、痛みを感じないことが多いそうです。救急車を呼ぶことをためらってはいけません。 救護とは 救護というと、救急救命や心肺蘇生が頭にうかびますが、誰もがそうした知識をもっているわけではないので、とっさに出来なかったとしても罪に問わることはないようです。 道路交通法でいう負傷者の救護とは、負傷のあるなしを確認し、救急車を要請し、安全な場所に負傷者を移動させ、二次災害を防ぐための措置を行うことです。 もちろん、可能であれば、救急車が到着するまでの間に少しでも救命措置ができることが望まれます。 トップページ > 交通事故を起こしたら >このページ