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婚姻届を取消または無効にできる場合があります

原則は取り消せない 婚姻届を提出したあとに別れたくなっても、受理された後であれば、無かったことにすることはできません。別れるには離婚の手続きをするしかありません。 ただし、一定の場合には、婚姻の取消しまたは婚姻の無効を裁判所に請求することができます。 取消し請求ができるケース 法律違反の婚姻 法律に違反している場合は、本来なら受理されませんが、何かの事情で受理され婚姻が成立してしまった場合は「取消し」の請求をすることができます。 民法に次の規定があります。 民法第744条 第731条から736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。 2 第732条又は第733条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。 民法731条から736条は次の通りです。 第731条 婚姻適齢 不適齢者が適齢に達したときは取消せなくなります。ただし不適齢者自身は、適齢に達したあと3ヶ月は取り消し請求することができます。 第732条 重婚の禁止 第733条 再婚禁止期間 前婚の解消もしくは取消しの日から起算して100日を経過したとき、または女性が再婚後に出産したときは、取り消し請求ができなくなります。 第734条 近親者間の婚姻の禁止 第735条 直系姻族間の婚姻の禁止 第736条 養親子等の間の婚姻の禁止 上記の場合は取消し請求ができます。 詐欺又は強迫による婚姻 詐欺又は強迫による婚姻も取消し請求できます。 民法に次の規定があります。 第747条 詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる。 2 前項の規定による取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。 詐欺や強迫を相手方から受けた場合だけでなく、第三者から受けた場合も含むとされています。 この場合の詐欺とは、相手方が自分の不都合な過去を隠していたとか、借金を隠していたとか、職業や年収を偽っていたというのは含まれません。そのようなことは離婚の原因になりますが、婚姻の取消の原因にはならないとされています。 詐欺を発見してから、あるいは強迫を免

離婚したときの老齢厚生年金の分割

年金の分割を請求できる 年金の分割というのは「働いてこれたのは妻(配偶者)の支えがあったればこそである」という考えで、夫(配偶者)の老齢厚生年金(共済年金を含む)の一部を、離婚後に元妻(元配偶者)が受け取れる制度です。 これは老齢厚生年金(共済含む)の制度で国民年金の老齢基礎年金にはこういう制度はありません。 合意分割 分割できるのは婚姻期間中に厚生年金被保険者であった期間です。厚生年金や共済年金に入ったことのない元配偶者からは分割してもらうことができません。 原則として配偶者の合意が必要です。 双方が合意すれば、年金事務所に「標準報酬改定請求書(離婚時の年金分割の請求書)」を提出することで、離婚した元配偶者の厚生年金の一部を自分に付け替えてもらうことができます。この制度を「合意分割」といいます。 相手が合意しない場合は、家庭裁判所の決定をもらう必要があります。 裁判所の決定を得てから、年金事務所に届け出します。離婚時の年金分割の請求書を提出します。 3号分割 合意分割とは別に、「3号分割」というのがあります。 サラリーマンの配偶者(専業主婦または主夫=3号被保険者)は、平成20年4月1日以降の第3号被保険者期間中の夫の厚生年金の標準報酬の半分を請求により自分のものとすることができます。合意も裁判も必要ありません。年金事務所で手続きするだけです。 合意分割は、婚姻期間の全部にさかのぼることができますが、「3号分割」されるのは、平成20年4月1日以降の分だけです。20年4月1日以降の婚姻期間にだけ適用されます。 どのくらいもらえるか 年金分割というのは、正確には離婚した相方の年金額を半分もらえるものではありません。年金の「記録」(標準報酬月額と標準賞与額)を分割してそれぞれの年金額を計算するものです。 報酬比例部分は平均すると月額10万円とちょっとですから、その半分で5万位だと思った方が良いでしょう。それも、会社に勤めていた期間の全部が対象になるのではなく、その中で「結婚していた期間」が対象になるので、さらに低くなる可能性があります。 以下、大雑把な説明ですが参考にしてください。 仮に相手が22歳から会社勤めをしていて65歳まで勤務すれば、厚生年金被保険者期間は43年になります。 仮にあなたとの結婚年数が10年だとすれば、 分割される割合は43分の10です。 仮に相手

離婚すれば慰謝料をもらえるのか

離婚すれば必ず慰謝料がもらえるということはありません。離婚の原因によります。 離婚の原因が相手方にある場合は慰謝料をもらえる可能性があります。少なくとも請求することはできます。 相手方に離婚事由があって離婚する場合は慰謝料をとれる可能性が高いでしょう。単なる性格の不一致では慰謝料をもらうのは難しいかもしれません。 慰謝料は、精神的苦痛を慰謝するために支払われる金銭のことですから、精神的損害を受けたという証拠が必要となります。証拠というのは、医師の診断書、警察等への相談経緯、状況を知っている人の証言などですが、自分で書いたメール、手紙、日記なども証拠として使うことができます。 慰謝料の金額が決まる要素としては、精神的苦痛の度合いとともに支払う側の年収や、社会的地位、その他の要因に左右されます。 協議で離婚が決まり、慰謝料についても合意があった場合は、口約束ではなく離婚協議書を作成しましょう。 離婚協議書は公正証書にしましょう。お金はかかりますが、弁護士、行政書士等の専門家の手を借りた方が安全安心です。 トップページ > 離婚についてのあれこれ >このページ

離婚の際に財産と借金をどのように分けるか

財産分与とは 財産分与とは、離婚するときに夫婦が共同で築いた財産を分けることです。 結婚後に増えた預貯金や購入した不動産は、名義がどちらか一方になっていても、財産分与の対象とすることができます。 必ずしも半分ずつというわけではありません。裁判になったときは、夫婦がどれくらい共有財産の形成に寄与したかを評価する「寄与度」によって分与の割合が判断されます。 自分で稼いだり親からもらったりして結婚前に既に持っていた財産は、夫婦の協力とは関係なく得られたものなので、一部の例外があるものの財産分与の対象とはなりません。 同様に、相続で得た財産も対象外になります。 退職金については、退職金が離婚前に支払われていた場合には、現金や預貯金と同様に夫婦の貢献度に応じて分ける対象になります。まだ支給されていなくても、将来確実に支給されるのであれば財産分与の対象となるという判例があります。 借金を分ける 借金が離婚の原因になることは珍しくありません。 その借金が、例えばギャンブルや飲酒にあてるために作った個人的な借金である場合は、たとえ婚姻中に作った借金であったとしても財産分与の対象になりません。それぞれ原因を作った人が負担しなければなりません。 子どもの教育ローンや生活費などの不足を補うためにした借り入れや、住宅ローン等の実質的共有財産を取得するための借金などは、保証人などになっていなくても財産分与の対象になります。 プラスの財産よりも借金の方が多い場合は、分与する財産はないとして、その借金の名義人のみがその借金を負担するという判例があります。 不動産等の評価や、分与後の登記手続きなどは、専門的な知識がなければ手に負えません。お金はかかりますが、離婚の相談の段階から、弁護士、行政書士等の専門家の手を借りた方が安全です。 住宅ローン契約を変更する場合 所有者と返済者が変わらなければ 不動産の所有名義人であり、ローンの契約者である夫がそのまま住み続けて、ローンも引き続き支払う場合は、基本的には特別な手続きは必要ありません。 妻が住宅ローンの連帯保証人になっていれば、ローンは銀行との契約なので手続きをしないと無くなりません。当事者間で話がまとまったとしても、貸借契約の当事者である銀行と契約をやり直さなければなりません。「やっておくから」と言う言葉を信じてはいけません。 共同で所有していれば、

離婚のときは親権者を決めなければならない

親権とは 親権というのは、未成年の子を養育監護し、その財産を管理し、子を代理して法律行為をする権利・義務のことです。簡単に言えば親としての権利義務のことです。 結婚しているのであれば親権は両親両方にあります。共同して親権を行使します。離婚の際には、父母のいずれか一方のみを親権者にしなければなりません。現状では共同親権の制度はありません。 民法に次のように規定されています。 民法第819条 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。 2 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。 3 子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。 4 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。 5 第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。 6 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。 別居中であっても、離婚が成立していなければ両方に親権があります。どちらか片方の親のみが親権者になるということはありません。 監護権とは 監護権は親権の一部です。 監護権とは、子供と一緒に生活し身の回りの世話、教育をするなどの権利です。 原則として親権者がこれを行使します。 ただし、事情によっては、親権者と監護権者が別々になることもあります。 離婚したときに父親を親権者に決めたが、子が幼いので母親が監護権者になって養育する、父親が親権者だが、海外出張で世話ができないので母親が監護権者になって養育する、などというケースです。 また、監護権については、正式に離婚する前であっても、別居生活など共同で監護する状態にないときは、親権とは切り離して、とりあえず監護権者を決めることがあります。 民法に次のように規定されています。 民法第766条 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して

離婚後の名字をどうするか

婚姻のときに氏を変更していない人 婚姻したときは、夫または妻の氏のどちらかの氏を称することになっています。 婚姻により氏を変更していない人(主に男性)は、離婚をしてもそのままの氏を名乗ります。 婚姻のときに氏を変更した人 原則として元の氏に戻る 婚姻により氏を変更した人(主に女性)は、原則として、婚姻前の氏(旧姓)に戻ります。これを「復氏」といいます。 氏を変えたくないときは手続きする 氏を変えたくない場合は、届け出をすれば、結婚していたときの氏を継続して名乗ることができます。これを「婚氏続称」といいます。 この場合は、離婚の日から3ヶ月以内に、夫婦の本籍地または届け出人の所在地の市区町村に対して「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」を出す必要があります。 離婚の日から3ヶ月過ぎれば、原則として変更できなくなります。3ヶ月を過ぎてから変更したくなった場合は、市区町村の窓口ではなく、家庭裁判所に「氏の変更許可の申立て」をする必要があります。 この場合、「やむを得ない事由」がなければ氏の変更は認められないとされています。単に元配偶者の名字を名乗るのが嫌になった、などということではやむを得ない事由とは認められず、その氏を名乗ることで社会生活上の不利益・不便が生じているなどの具体的な事由が必要のようです。 どの位の事由があれば認められるかは素人には判断が難しいので、もしそのようなことになったときは弁護士等の専門家に相談した方がよいでしょう。 離婚後の戸籍 婚姻により氏を変更しなかった人(主に男性)は、離婚後も戸籍に変動はなく、そのままの戸籍にとどまります。 離婚により旧姓に戻った人は、原則として婚姻前の戸籍に戻ります。これを「復籍」といいます。 以上が原則的な扱いですが、次の場合は、新戸籍を作ってその戸籍に入ります。 □ 婚姻前の戸籍が除籍されている場合 □ 婚姻前の氏に戻った人が新戸籍編製の申し出をする場合 □ 旧姓を続けるために婚氏続称の届け出を行った場合 なお、いったん結婚前の戸籍に入って(復籍)、その後に新戸籍をつくることはできますが、逆に、新戸籍をつくってしまった後に、結婚前の戸籍に戻ることはできません。 子の氏と戸籍 父母が離婚しても、子の氏は変更されません。 つまり、母親が旧姓に戻り、親権者になっても、母親と子の氏が異なるということになります。 また、子の

離婚後の養育費をどうするか

離婚後の養育費をどうするか 養育費とは、子どもが成人するまでの生活費用のことです。 支払う側の支払能力、子供の人数、子供の年齢などにより算出します。 1人あたり月2万円~6万円ぐらいが多いと言われていますが、少しでも多くしてもらえるように頑張りましょう。子どもの養育は生活ができればよいというものではありません。進学の費用、思いがけない病気やケガ治療の費用など、想像以上にお金がかかるものです。 話し合いで養育費が決まらない場合は、離婚調停に持ちこみ、それでも決まらない場合は、離婚訴訟で裁判官の判断を仰ぎます。 双方の話し合いで養育費について合意があった場合は、口約束ではなく離婚協議書を作成しましょう。できれば公正証書にすることが望まれます。 そのためには、お金はかかりますが、弁護士、行政書士等の専門家の手を借りた方が安心です。 せっかく養育費を取り決めても途中から払ってくれなくなるトラブルが多いそうです。公正証書がない場合でも打つ手はあるはずです。支払が止まったら早めに弁護士に相談しましょう。 トップページ > 離婚についてのあれこれ >このページ

離婚協議書は公正証書にするべきです

公正証書とは 離婚協議書は公正証書にするべきです。公正証書にすれば、不払いになったときの法的措置が容易になります。 公正証書とは、公証人役場(こうしょうにんやくば)で公証人に作ってもらう書類のことです。 公証人役場というのは、公証人がいる事務所のことです。法務省の管轄する役所なので、役場という名称を用いています。 公証役場には、公正証書を作成することができる公証人が1名以上配置されています。公証人は、元裁判官、元法務局職員など法律実務を長く経験した人が法務大臣に任命されて仕事をしています。 なぜ公正証書にするか 書類の効力を高めるためです。 原本を公証役場で保管してくれるので失くす心配がありません。 公正証書を作成するときに本人確認をするので、後でその書類が「偽造だ」として争われる可能性が低くくなります。 公正証書に、執行認諾文言(「支払いを怠った場合は強制執行されてもかまいません」という取り決め)が付いていれば、相手が支払を怠った場合、あらためて裁判をすることなく、強制執行をすることができます。 市区町村に提出する離婚届に、養育費の取り決めに公正証書を使っているかをチェックする欄が設けられています。国としても離婚協議書を公正証書にすることを勧めているのです。 ただし、離婚協議書の内容を公証人がチェックしてくれるわけではありません。内容については、弁護士などの専門家の助言が重要です。 公正証書の作成手順 一般的には、先に弁護士などの専門家に相談して書類を作成して、その書類を公証役場に持参して公正証書にしてもらいます。 専門家と事前打ち合わせが義務になっているわけではないので、本人が、公証役場に予約をして、公証人と打ち合わせしながら作成することもできます。 ただし、公証役場は公正証書の作成などの各手続きを実施する役所ですから、争いの相談に応じたり、紛争の解決に手を貸すことはしていません。 本人が公証役場へ行くのが原則ですが、病気などで公証役場へ出向けないときは、公証人の側から依頼者にもとに出張して作成対応することもできます。 公証役場の所在地 公証役場は、公証人連合会のホームページから探すことができます。 公証役場一覧|日本公証人連合会 公証証書の作成手数料 公正証書の作成は有料です。 公正証書作成の費用は、原則として、その目的価額により定められています。 目的価額と

裁判で離婚を決めてもらうこともできます

離婚をもとめる裁判 お互いに話し合っても合意できず、調停をしても合意できない場合には、訴訟を起こして裁判で判決をもらうという手段があります。 (裁判上の離婚) 民法第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。 一 配偶者に不貞な行為があったとき。 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき 。 上記に掲げられた離婚理由に該当する場合は、家庭裁判所に離婚の訴えを起こすことができます。 慰謝料や財産分与、親権者の指定、養育費の請求なども同時に判決を求めます。 裁判とは 離婚を争う裁判は民事訴訟の一つです。民事訴訟とは、争いの当事者の間で解決できないときに、裁判官に対して双方が主張を述べて、どっちの主張が合理的か裁判官に判断を求めることです。 裁判は公開で行われます。いつ誰の離婚について裁判が行われるか、普通の人に知れ渡ることはあまりありませんが、裁判は誰でも傍聴できます。人に知られたくないことを知られてしまう可能性が、わずかですがあるということは覚悟しなければなりません。 また、裁判の過程で、相手方から非常に強い、心無い発言をされることを覚悟しなければなりません。あなたの主張することをことごとく否定してくると思った方がよいです。もちろん、弁護士に全て任せて裁判所に行かないこともできますが、裁判所が証人として発言を求めたときは出廷して質問に答えなければなりません。 証拠が重要 裁判離婚の場合、民法770条に定められた離婚事由があるかどうかが大きなポイントになります。離婚事由がないと判断されれば、裁判は負けます。 本人が離婚事由があると考えても、証拠がなければ有利な判決はなかなかもらえません。夫が不倫をしていると言っても「いつも帰りが遅い」「友人がそう言っている」「一緒に食事をしていた」という程度では、相手に否定されてしまえば不倫の証拠にはなりません。 裁判官は双方の意見を聞いてどっちの主張が正しいかを判断しますが、裁判官の判断に大きく影響するのが証拠です。証拠があるかどうかはとても重要です。 裁判の前に、弁護士の意見をよく聴くことが大事です。 裁判の流れ まず原告が離婚請求の訴状を管轄の家

離婚協議書とはどういうものか

離婚協議書とは 離婚協議書は、離婚するに際して、双方の合意の内容を記載して、お互いに守ることを約束した文書です。 親権、養育費、財産分与、慰謝料などの合意事項を記載するのですが、専門的知識が無いと、もれや不備がありがちです。離婚協議書は、弁護士や行政書士等の専門家に入ってもらってしっかりしたものを作りましょう。 離婚協議書の例 あくまでも一例です。こういう感じだということでごらんください。 離婚協議書 (離婚の合意) 第1条 夫〇〇〇〇(以下、「甲」という)と妻〇〇〇〇(以下、「乙」という)は、協議離婚することに合意し、下記の通り離婚協議書を取り交わした。 (離婚届) 第2条 乙は双方が自署名捺印した離婚届を令和〇〇年〇〇月〇〇日までに、〇〇市役所に提出するものとする。 (親権者及び監護権者)  第3条 甲乙間に生まれた未成年の子である長男〇〇〇〇(令和〇〇年〇月〇日生、以下「丙」)、長女〇〇〇〇(令和〇〇年〇月〇日生、以下「丁」)の親権者を乙と定める。 2 乙は丙、丁の監護権者となり、それぞれが成年に達するまで、これを引き取り養育する。 (養育費) 第4条 甲は乙に対し丙の養育費として令和〇年〇月から令和〇年〇月まで、毎月末日限り金〇〇万円を、丁の養育費として令和〇〇年〇月から丁が成年に達する日の属する月まで、毎月末日限り金〇万円の合計金〇〇万円を乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う。 2 振込手数料は甲の負担とする。 3 甲乙は、上記に定めるほか、丙、丁に関し、入学や入院等、特別な費用を要する場合は、互いに誠実に協議して、おおむね等分に負担するものとする。 4 甲乙は、上記養育費について、物価の変動その他の事情の変更に応じて、互いに誠実に協議して、増減できるものとする。  (慰謝料) 第5条 甲は、乙に対し、慰謝料として金〇〇万円の支払義務があることを認め、これを〇〇回に分割して、令和〇〇年〇月から令和〇〇年〇月まで、毎月末日限り金〇万円を乙の指定する金融機関の預貯金口座に振り込んで支払う。 2 振込み手数料は甲の負担とする。 (財産分与) 第6条 甲は乙に対し、財産分与として金〇〇万円を令和〇〇年〇月〇日までに乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う。 2 前項の外、甲は乙に対し、乙の生活が安定するまでの〇か月分の生活費として月金〇万円の支払い義務

離婚調停とはどういうものか

離婚調停とは 離婚したくても相手が応じてくれないとき、離婚することは合意しても、親権の問題、養育費の取り決め、慰謝料の請求、財産分与などの条件がまとまらないときに、家庭裁判所に調停を申し出ることができます。 調停は家庭裁判所の調停委員が関与する話し合いです。調停委員は裁判官ではなく一般の市民から選ばれた人が就任しています。 調停の場で納得して書類が作成されてしまえば、後から覆すことはできません。 主張することに自信がない人は、ひとりで調停にのぞまず、弁護士に依頼する方が良いかもしれません。 離婚調停の進み方 申立書を提出する まず、住所地の家庭裁判所、または夫婦で合意した家庭裁判所に行って離婚調停の申し立てをします。 「夫婦関係調整調停申立書」に必要事項を記入して提出します。申立書は相手の合意は要りません。単独で提出することができます。 家庭裁判所に払う費用はあまりありません。収入印紙1200円、書面を郵送する際の切手代くらいのものです。ただし、弁護士や司法書士に依頼する場合は別途費用がかかります。 調停期日呼出状が送られてくる 夫婦関係調整調停申立書が提出されると裁判所で調停の日程を決めて、調停の申立てした人とその配偶者に「調停期日呼出状」が送られてきます。調停期日とは、調停をする日という意味です。 初回の調停がある 家事審判官(裁判官)1名と調停委員(2名)が、調停を行います。夫婦は別々の部屋に通され、まずは申立人、次に相手方、最後にもう一度申立人の順で話を聞かれます。調停の場では夫婦が直接言い合う場面はありません。 調停は何度も行われる 1度で話しがまとまることはあまりありません。複雑なケースほど時間がかかります。 調停は月1回くらいのペースで進みます。引き続きそれぞれの意見を聞き、争点を整理しながら解決を促します。1回終わるごとに次回の調停日を決めます。 平均的には3ヶ月~6ヶ月程度は続けます。 調停委員が一方的で嫌な思いをしたという話しを聞くことがあります。調停委員は裁判所にいますが法律家ではなく、どちらかというと一般人に近い人から選ばれています。なので個人差もあると思われます。ですが、離婚については裁判の前にまず調停でというルールがあります。気持ちを落ち着けて実際にあった事実と自分の考えを伝えましょう。 調停が成立したら 調停の場でお互いが離婚条件につい

協議離婚は話し合いで離婚を決めることです

協議離婚とは 協議離婚とは夫婦の話し合いによる離婚です。 夫婦直接でなくても代理人の話し合いであっても、調停や裁判の手続きを使わないで離婚する場合は協議離婚です。離婚の大部分は、双方の話し合いによる協議離婚です。 民法に次の規定があります。 民法第763条 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。 協議離婚の流れ まず、離婚することを合意します。 離婚について合意したら、親権、養育費、財産分与、慰謝料などの離婚条件を決めます。 合意内容を離婚協議書という文書にまとめます。 関連記事:離婚協議書とはどういうものか 離婚届を市区町村役場へ提出すれば離婚が成立します。 時効に注意 離婚協議書を取り交わさずに、離婚届を出してから条件に付いて協議をすることがあります。 この場合は、話し合いをダラダラ続けているうちに時効にならないように注意しなければなりません。 養育費の時効は、支払い義務発生から5年間 財産分与の時効は、離婚成立から2年間 慰謝料の時効は、離婚成立から3年間 などと決まっています。 後のトラブルに注意 裁判所で行う調停離婚などと違って、協議離婚の場合は、大事な部分についての話し合いがなされないまま、あるいは書面に残さないまま、離婚が成立することがあります。 このような離婚は、離婚後にトラブルが発生しがちです。 トラブルを防ぐためには、離婚協議書を残しておくことが重要です。できれば離婚協議書を公正証書にしておきましょう。 関連記事:離婚協議書は公正証書にするべきです こうした手続きは、弁護士や行政書士などの専門家にお願いする方がよいでしょう。 離婚できるというだけで安心してしまわず、しっかりと手続きを進めましょう。そもそも相手との信頼関係が壊れているから離婚に至るのですから、この段階では相手より、自分や子どものことだけ考えましょう。 話し合って合意できなければ、家庭裁判所の調停、そして裁判ということになります。 関連記事: 離婚調停とはどういうものか トップページ > 離婚についてのあれこれ >このページ

離婚できる理由は民法に定められている

民法の離婚事由の定め 民法には5つの離婚事由が定められています。 (裁判上の離婚) 民法第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。 一 配偶者に不貞な行為があったとき。 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。 この条件を満たさないと離婚できないということではありません。離婚は双方が合意すればできます。一方が離婚に合意しない場合でも、上記の理由に該当すれば離婚を求める裁判を起こすことができるという意味です。 裁判になれば、この条件にあたはまらないと、裁判所は離婚の判決をだしません。 不貞行為 不貞行為とは、浮気・不倫のことです。配偶者以外の人と性的関係をもつことを指します。 裁判ですから、相手が不貞行為を認めないときは、証拠の提出が必要になります。 悪意の遺棄 悪意の遺棄とは、配偶者を見捨てたり追い出したりすることです。勝手に家を出て別居したり、無理矢理に家を追い出すことなどです。 3年以上の生死不明 生死不明になって3年以上経過し、所在も分からず連絡がないという場合です。 3年以上の生死不明を離婚事由とするためには、単に帰ってこない、どこに行ったか分からないというだけでは証拠が足りません。警察に捜索願を出しておく必要があります。 回復見込みのない強度の精神病 配偶者が病気になったときは夫婦で協力しあわなくてはならないという定めが民法にあります。しかし、その病気も強度の精神病である場合は、一方の生活に過大な負担を強いることになるため離婚事由として認められています。 但し、強度の精神病であればすべて認められるということではなく、病気の程度や症状について裁判所が審理し、離婚を認めないケースもあります。 婚姻を継続しがたい重大な事由 前4項は具体的なケースを示していますが、最後の規定は少しあいまいです。婚姻を継続しがたい重大な事由を持ち出して裁判を起こした場合は、裁判所はケースバイケースで判断します。 DVなど 暴力などがあれば、婚姻を継続しがたい重大な事由に該当する可能性があります。直接手を出さなくても精神的に追い詰めれば該当する可能性があります。 ただし、裁判は証拠が大事ですから