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結納は伝統的な婚約のやり方です

結納とは

婚約は、以前は結納(ゆいのう)を取りかわすことで成立していました。現在でもこの形式で行うことがあります。

結納とは、結納金や結納品を交換し祝い膳を囲んで婚約を祝うことです。

仲人が往復する結納

両家がそれぞれ仲人(なこうど)をたてて結納を取りかわすこともありますが、一般的には一組の仲人が両家を往復して結納品や受書(うけしょ)のやり取りをして婚約を成立させます。

男性側の家

仲人はまず男性側の家に行きます。

結納品を置いてある部屋に通されあいさつをかわします。

仲人「本日はお日柄もよくおめでとうございます」

男性の親「ありがとうございます。結納のためにひとかたならぬお世話になります。本日はご多忙のところ誠にありがとうございます」

仲人に結納品を預けます。

男性の親「しるしばかりでございますが、〇〇家にお届けのほどお願い申し上げます」

仲人「かしこまりました。ふつつかではございますが確かにお預かりしました。」

仲人は預かった結納品を女性側の家に運びます。

女性側の家

仲人「この度はご当家と〇〇様とのご良縁が整い、誠におめでとうございます。〇〇様からの結納をお届けに参りました。幾久しくお納めください」

女性の親「〇〇(仲人)様のお骨折りのおかげさまで縁談が整いましてありがとうございます。幾久しくお受けいたします」

受書を渡します。

女性側では仲人から受け取った結納品を台に並べます。

次に女性側からの結納品を仲人に預けます。

女性の親「しるしばかりでございますが、〇〇家にお届けのほどお願い申し上げます」

仲人「かしこまりました。ふつつかではございますが確かにお預かりしました。」

仲人は預かった受書と結納品を男性側の家に運びます。

男性側の家

仲人「この度はご当家と〇〇様とのご良縁が整い、誠におめでとうございます。〇〇様からの結納をお届けに参りました。幾久しくお納めください」

男性の親「〇〇(仲人)様のお骨折りのおかげさまで縁談が整いましてありがとうございます。幾久しくお受けいたします」

男性側は結納品と受書を受け取り、受書を預けます。

ここで祝い膳をとってもらいますが、仲人はこれから女性側の家にもう一度行くので、簡単に、昼食またはお茶菓子程度のものにします。祝い膳を出さずに酒肴料を包むこともあります。

女性側の家

仲人は再度女性側の家に行き、受書を渡します。

これで結納は完了するので、酒肴を準備して祝い膳をかこみます。

両家が集まって行う結納

先のやり方だと仲人は両家を二往復します。近ければよいのですが、距離があると大変です。そこで、仲人と男性側、女性側が一室に集まって結納品を交換する略式結納を行うことが多いようです。

集まる場所は、祝い膳の準備の関係から、ホテルや料理店で行うのが一般的です。

男性側と女性側が向かい合って席につきます。本人が一番の上座です。仲人夫婦は下座に並びます。

仲人「この度はご両家のご婚約が整い誠におめでとうございます。ここで結納の交換をさせていただきます」

仲人「こちらが〇〇様(女性側)の結納でございます。幾久しくお納めください」

女性側「どうぞお納めください」

男性側「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」

男性側の親「本日は誠にありがとうございました。おかげさまで無事に結納を納めることができました。今後とも末永くよろしくお願いいたします」

女性側の親の「こちらこそありがとうございました。今後とも末永くよろしくお願いいたします」

両家が集まって行う場合は、費用は半分ずつ負担するのが一般的です。

結納品

結納品は九品、七品、五品など奇数で調えます。地域によって内容や品目数が異ないます。地域のブライダル業者など詳しい人に聞いて決めましょう。

関東式の結納品九品目

目録(もくろく)

結納品の内容明細を書いたものです。地域により目録を品数に加えないところもあります。たたみ方、包み方も地域により異なります。

受書(うけしょ)

結納品を確かに受け取りました、という受領書です。受け取る結納品の内容を全て列記しますが、手数を省くために、あらかじめ、結納を贈る側が結納と一緒に用意するのが一般的です。

御帯料(おんおびりょう)

御帯料として現金を包みます。これがいわゆる「結納金」です。地域にもよりますが男性側から贈り、女性側からは半返しといって男性側からの半分を贈り返します。これを形だけにする場合もあります。双方で話し合って決めます。

以下の七品は縁起物です。

長熨斗(ながのし)

もともとはあわびを薄く伸ばした物でした。あわびは不老長寿を象徴します。

勝男武士(かつおぶし)

鰹節のことです。古くは武運を祈り贈られました。

寿留女(するめ)

するめイカの干物です。味のある仲のよい夫婦になってほしいとの願いが込められています。

子生婦(こんぶ)

昆布のことです。昆布は強力な生命力と繁殖力があることから、子孫繁栄を願って贈られます。

友白髪(ともしらが)

白い麻糸の束です。夫婦ともに白髪になるまでという長寿の願いを込めて贈られます。

末広(すえひろ)

一対の純白の扇子です。扇を広げた形は末広がりで繁栄を象徴します。

家内喜多留(やなぎだる)

柳の樽に入れた祝い酒のことです。 酒料として現金を包むこともあります。

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