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会社員でも確定申告が必要な場合がある

確定申告不要の場合が多い

所得税の原則は申告納税制度です。商業や農業などの自営業者は自分で確定申告をして納税しなければなりません。

会社員等は、通常は確定申告する必要がありません。給与の支払者が所得税の額を計算して、その所得税を給与から差し引いて税務署に納付するからです。これを源泉徴収制度といいます。

給与に対する所得税

毎月の給与にかかる所得税は、「税額表」によって計算します。税額表には、甲欄・乙欄・丙欄という区別があります。扶養控除等申告書を提出している人には甲欄を、そうでない人には乙欄を適用します。丙欄は日雇労務者に適用されます。

賞与に対する所得税

賞与の支給を受ける月の前月に普通の給与を受け取っている場合には、その給与の金額と扶養家族の数により、定められている税率により計算します。

前月に支給された給与がない場合や、前月の給与の10倍以上の賞与を受け取る場合には、別の計算方法によります。

年末調整

給与の支払者は、毎月、給与や賞与について前記のような計算を行いますが、年末の12月には各人ごとに所得税を再計算して、足りないときは最後の給与等から徴収し、多すぎたときは返却します。これを年末調整といいます。

会社員は年末調整で所得税の過不足を精算する

会社員の確定申告

会社員等の大部分は確定申告をしなくてもよいのですが、一部、しなければならない人と、した方がよい人がいます。

確定申告をしなければならない人

確定申告をしなければならないのは次の人です。

1 給与の金額が2,000万円を超える人

2 二ヶ所以上から給与の支払を受けている人のうち、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得や退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人

3 給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える人

4 住宅借入金等特別控除を初めて受ける人

5 給与所得者の特定支出控除(※)の特例の適用を受ける人

※特定支出控除
会社員も個人事業主と同じように、通勤費や図書費、交際費、衣服費などの経費がかかります。特定支出控除は、一定の要件を満たしたときは、これらの支出を必要経費として所得から控除できる仕組みです。

確定申告をした方がよい人

確定申告をすれば税金が戻ってくる人がいます。

1 一定の医療費を支払った場合など
2 災害や盗難にあった場合
3 年の中途で退職し、再就職していない場合など

国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成することができます。 

所得金額とは

所得金額とは、収入金額から給与所得者の必要経費に当たる給与所得控除額を差し引いた金額です。

所得税法の、配偶者控除、寡婦控除、配偶者特別控除等の各種控除を受けることができるか否かは、「所得金額」によって決まります。「収入金額」ではありません。

給与所得の所得金額は、給与の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出します。

収入金額給与所得控除額
1,625,000円まで550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで年収×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで 年収×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで年収×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで年収×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円

収入金額が660万円までの場合には、上記ではなく「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で給与所得の金額を計算します。

所得税額の計算

給与所得の金額から所得控除額を差し引いて課税所得金額を算出します。所得控除は扶養控除など15種類あります。

課税所得金額に所得税の税率を適用し、所得税額を算出します。所得税額は、「令和〇年分所得税の税額表」で計算します。

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