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脳・心臓疾患と労災認定

仕事が原因であれば労災認定

脳梗塞などの脳血管疾患、心筋梗塞などの心臓疾患は、加齢や食生活等の日常生活や遺伝等の要因によって発症します。

しかし、仕事が原因で発症する場合もあり、これで死に至ることを「過労死」といっています。

仕事が原因で発症したのであれば、労災保険の支給対象になります。

日常生活や遺伝等の影響もあるので、脳・心臓疾患の労災認定については、一定の基準を設けています。

認定要件

業務による明らかな過重負荷があるかどうか。

これを3つに分けます。

1.異常な出来事
2.短期間の過重業務
3.長期間の加重業務

異常な出来事

発症直前から前日までの間に、異常な出来事に遭遇したか。

例えば、
業務に関連した重大な人身事故等に直接関与したことによって、著しい精神的負荷、または著しい身体的負荷を受けた。または極めて劣悪な作業環境下で仕事をしていた。

短期間の過重業務

発症に近接した時期(発症前おおむね1週間)に、特に過重な業務についたか。

労働時間については次の基準で判断します。

発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる
発症前おおむね1週間以内に継続した長時間勤務が認められる
休日が確保されていない

そして、その他に、労働時間以外の負荷要因、出張や交替勤務、作業環境などを総合的に検討します。

長期間の加重業務

発症前の長期間(発症前おおむね6ヶ月間)にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務についたか。

労働時間の長さが大きな要素になります。

時間外労働が1ヶ月あたりおおむね45時間を超えるかどうかが一つの基準です。

45時間以内であれば、発症したとしても業務との関連は弱いと評価されます。

45時間を超えると、長くなるほど発症と業務の関連が強くなると評価されます。

発症前1ヶ月間におおむね100時間、

または、発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって(発症前2ヶ月間、発症前3ヶ月間、発症前4ヶ月間、発症前5ヶ月間、発症前6ヶ月間のいずれかの期間)、1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外労働をしている場合は、

業務と発症の関連性が強いと評価されます。

そして、その他に、労働時間以外の負荷要因、出張や交替勤務、作業環境などを総合的に検討します。

総合判断

もともと持っていた病気や、その治療状態等も考慮して、業務上の疾患に該当するかどうか判断します。

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