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健康診断をやらなければならない

健康診断は事業主と従業員の義務

労働安全衛生法では事業主に実施義務を課しているだけでなく、労働者にも「受けなければならない」と義務を課しています。

持病があるので他の従業員と一緒に受けるのは嫌、などの受けたくない事情がある場合には、他の医療機関で受診して結果票を提出ことを会社に相談してみましょう。

以下、健康診断の種類ごとに説明します。

定期健康診断

常時使用する労働者に対して年1回の定期健康診断を実施しなければなりません。

常時使用されるとは、
次の二つの要件を満たしている人のことです。
① 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、契約の更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む)
② その者の1週間の労働時間数が正社員の4分の3以上であること(ただし、2分の1以上の場合には、健康診断を受けさせることが望ましいとされています。)

雇入時健康診断

常時使用する労働者を新たに採用したときは、健康診断を受診させなければなりません。

3ヶ月以内に健康診断を受けている項目は、本人から証明書の提出を受ければ省略可能です。卒業予定者の雇入は、学校での受診者のほか医師の判断等で省略可能です。

特定業務従事者の健康診断

深夜業(午後10時から午前5時までの間に働くこと)従事者や多量の高熱物体取扱いなど13の特定業務に従事する労働者は、特定業務従事者の健康診断を受診しなければなりません。一般労働者の定期健康診断より1回多く、年2回(但し、胸部エックス線検査は年1回)となっています。

特定業務従事者健康診断

深夜業従事者の自発的健康診断

深夜業に従事する労働者が、自分の健康に不安をおぼえて、自分の判断で(ほかの健康診断とは別に)受診した健康診断の結果を、当該健康診断を受けた日3ヶ月以内に事業者に提出した場合に、事業者は事後措置等を講ずることが義務付けられます。

常時使用され、6ヶ月を平均して1か月当たり4回以上(6ヶ月に24回以上)の深夜業に従事した労働者が該当します。

海外派遣者の健康診断

労働者を6ヶ月以上海外に派遣しようとする場合は派遣前健診を受診させ、6ヶ月以上海外派遣した労働者が帰国して業務に就く場合には帰国後健診を受診させなければなりません。

特殊健康診断

特に有害な業務に従事する人に対しては、一般の健康診断より多い項目を、回数も多く実施する必要があります。

特殊健康診断の対象業務には以下のようなものがあります。

・有機溶剤業務
・鉛業務
・四アルキル鉛等業務
・特定化学物質を製造し、又は取り扱う業務
・高圧室内業務又は潜水業務
・放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入る者
・除染等業務
・石綿の粉じんを発散する場所における業務
・粉じん作業
・常時粉じん作業に従事する労働者及び従事したことのある管理2又は管理3の労働者(じん肺健診)
・酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務(歯科医による健診)

給食に従事するものの健康診断

食堂・炊事場で給食の業務に従事する労働者には、検便の追加が必要です。

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