生計維持の基準
労働者の死亡当時、その収入によって日常の消費生活の全部または一部を営んでおり、死亡労働者の収入がなければ、通常の生活水準を維持することが困難となるような関係が常態か否かという基準があります。
国民年金・厚生年金のように、年収に関する数字は示されていません。
同居し、生活費の一部でも死亡した労働者に依存していれば、労災保険では生計維持関係にあったと認められます。
したがって、残された遺族が、妻、夫、子、父母であって、死亡当時同居していれば、相互に生計依存関係がない事が明らかに認められる場合を除き、生計維持関係が認められます。
孫、祖父母、兄弟姉妹の場合
孫、祖父母、兄弟姉妹の場合も、基準は同じですが、一般的には、孫にはその父母、祖父母にはその子という扶養者がいると考えられます。よって、原則的には死亡労働者と孫や祖父母の、生計維持関係は認められません。ただし、孫にとっての父母、祖父母にとっての子の収入が少ない場合には認められることがあります。
兄弟姉妹の生計維持関係も同様に、直接的に扶養義務のある親族がいる場合は原則的に生計維持関係は認められません。
一時的に生計依存関係がない場合
労働者の死亡当時において、当該遺族との生計依存関係が失われていても、それが一時的な事情によるものであるときは、生計維持関係が認められることがあります。
労働者の収入により生計を依存する事となった後まもなく死亡したとしても、労働者が生存していたとすれば特別な事情がない限り、生計依存関係が存続するであろう事が推定できるときは、生計維持関係が認められることがあります。
労働者がその就職後きわめて短期間の間に死亡したとしても、労働者が生存していたとすれば、生計依存関係がまもなく状態となるであろう事が明らかであれば、生計維持関係が認められることがあります。
社会保険の生計維持
遺族厚生年金等の社会保険における生計維持の扱いは若干違います。
→社会保険における生計維持とは
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