長時間労働者への面接指導とは
労働安全衛生法66条の定めにより、長時間労働者への医師による面接指導の実施が義務付けられています。
労働者数にかかわらず全ての事業場に適用されます。
次の労働者が対象になります。
1.労働者(裁量労働制、管理監督者含む)
①義務:労働者の週40時間を超える労働が1月当たり80時間を超え、疲労の蓄積が認められる労働者(申出を受けたとき実施)
②努力義務:事業主が自主的に定めた基準に該当する者
2.研究開発業務従事者
①義務:月100時間超のの時間外・休日労働を行った者
②義務:月80時間超の時間外・休日労働を行い、疲労蓄積があり面接を申し出た者
③努力義務:事業主が自主的に定めた基準に該当する者
3.高度プロフェッショナル制度適用者
①義務:1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた時間について月100時間超行った者
②努力義務:①の対象者以外で面接を申し出た者
労働時間の状況を適正に把握するため、事業者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録する必要があります
時間外・休日労働時間が月80時間を超えたら
事業者がすること
1.月80時間を超えた労働者本人に当該超えた時間に関する情報を通知しなければなりません。
2.申出をした労働者に対し、医師による面接指導を実施しなければなりません。面接指導を実施した医師から必要な措置について意見聴取を行い、必要と認める場合は、適切な事後措置を実施しなければなりません。
3.時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超えた労働者に関する作業環境、労働時間、深夜業の回数及び時間数等の情報を産業医に提供しなければなりません。
4.面接指導の実施方法及び実施体制の周知はもちろん、労働者が自分の労働時間数を確認できる仕組みの整備、申出を行う際の様式の作成、申出を行う窓口の設定などの措置を講じて、労働者が申出を行いやすくする観点に立ってその周知を徹底しなければなりません。
労働者がすること
1.面接指導の申出をし、医師による面接指導を受けましょう。
事業者が労働時間を適切に把握していないときは、労働者自らが労働時間を記録して所定の労働時間を超過したときは面接指導の申し入れを行いましょう。
産業医がすること
1.労働者に対し面接指導の申出をするよう勧奨しましょう。
時間外・休日労働時間が月45時間を超えたら
健康への配慮が必要な者が面接指導等の措置の対象となるよう基準を設定し、面接指導等(医師による面接指導又は面接指導に準ずる措置)を実施することが望まれます。必要と認める場合は、適切な事後措置を実施することが望まれます。
準ずる措置の例
1.労働者に対し保健師等による保健指導を行う
2.労働者の疲労蓄積度チェックリストで疲労蓄積度を把握し、必要な労働者に対し面接指導を行う
3.事業者が産業医等から事業場の健康管理について助言指導を受ける
高ストレス者への面接指導
労働安全衛生法に定められた医師による面接指導は、ここで説明した長時間労働に関するものの他に、ストレスチェックの結果により高ストレス者と判断された労働者に対する面接指導があります。
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