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有期雇用で働く

有期労働契約とは

1ヶ月とか、1年のように、期間を定めて雇用することを有期労働契約といいます。契約社員、アルバイトなどが該当します。

期間は原則3年以内です。

労働者が不当に長期間にわたる契約により拘束されることを防止しようという趣旨の定めです。

高度の専門的人材は最大5年の労働契約を結ぶことができます。

短い期間について、労働契約法では、短い期間の契約を反復更新しないようにする配慮を求めています。

雇止めのルール

雇い止めというのは、あらかじめ定めた契約期間が満了したときに、労働者が更新を希望していても更新しないで雇用関係を終了することです。

雇用契約の終了に伴う雇用関係の終了ですから、基本的には打ち切られてもやむを得ませんん。

ただし、これまでの更新手続きがルーズでほぼ自動的に契約更新していたような場合や、「これからもしっかり頼む」などと、上司から更新を期待しても当然と思わせる言動があった場合など、雇い止めが無効になる場合があります。

無期転換について

同じ会社での雇用期間が、5年に達すると無期の労働契約に転換されます。

有期労働契約が5年を超えて反復更新されたときには、労働者が申込みすることによって無期労働契約に転換できます。使用者に拒否権はありません。

無期転換申込み権が発生する条件

1.有期労働契約の通算期間が5年を超えている
2.契約の更新回数が1回以上
3.同一の使用者に雇用されている。

通算5年を超えているとは

例えば、平成25年4月に1年契約で採用され、継続して更新されてきた有期労働契約の場合は、平成30年4月の更新契約をすれば無期転換申込み権が発生します。

3年契約であれば、1回目の更新をした段階でトータル6年の契約をしたことになるので、1回目の更新をして4年目に入ったときに無期転換申込み権が発生します。

該当する労働者が申込をしなかった場合でも、有期雇用契約が更新されれば、改めて無期転換申込みができます。

契約と契約の間に次のような空白期間があるときは、前の契約期間を通算しないことになっています。クーリング期間といいます。

空白期間が6ヶ月以上(直前の契約期間が1年未満ならその2分の1の期間)あれば、期間が連続しないことになります。
つまり、契約期間と契約期間に次のように間が空くと契約期間が通算されなくなります。

有期契約期間が2ヶ月以下であれば1ヶ月以上の空白
有期契約期間が2ヶ月超〜4ヶ月以下であれば2ヶ月以上の空白
有期契約期間が4ヶ月超〜6ヶ月以下であれば3ヶ月以上の空白
有期契約期間が6ヶ月超〜8ヶ月以下であれば4ヶ月以上の空白
有期契約期間が8ヶ月超〜10ヶ月以下であれば5ヶ月以上の空白
有期契約期間が10ヶ月超であれば6ヶ月以上の空白

無期転換された場合、契約の期間に定めが無い状態になりますが、このことがそのまま正社員雇用を意味するものではありません。別段の定めがない限り、労働条件は、雇用期間の部分を除いては、従前と同一の労働条件が継続されることになります。

無期労働契約に転換されても、別段の定めがなければ、労働条件は有期労働契約と同じとなります。労働条件を変更するのであれば、予めその旨定めておく必要があります。

無期転換の適用除外等

「専門的知識等を有する有期雇用労働者」、「定年に達した後引き続いて雇用される有期雇用労働者」、「大学等及び研究開発法人の研究者、教員等」については、特例が適用されます。

有期契約労働者の労働条件

労働法は等しく適用される

労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法は有期雇用労働者を含む全ての労働者に適用されます。

労働者を雇い入れたときは、労働時間その他の労働条件を明示し、一部は文書で交付しなければならないと労働基準法に定められています。

有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることが禁止されています。

有期雇用労働者の社会保険

一定の条件を満たす有期雇用労働者を厚生年金保険と健康保険に加入させなければなりません。

関連記事:社会保険に加入させてくれない

有期雇用労働者の労働保険

労災保険は有期雇用労働者を含む全ての労働者に適用させなければなりません。

一定の条件を満たす有期雇用労働者を雇用保険に加入させなければなりません。

関連記事:雇用保険に加入させてくれない

契約期間満了前の退職

原則として契約の満了日まで働かなければなりませんが、やむを得ない事由があれば途中退職できます。

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