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賃金に関する基本的ルール

賃金については、労働者に確実に支給されるように、労働基準法などの法律で様々な定めが決められています。

賃金の原則

労働基準法では4つの原則を定めています。

通貨払いの原則

賃金は現金で支払わなければならず、現物(会社の商品など)で払ってはいけません。

ただし、労働者の同意を得た場合は、銀行振込みなどの方法によることができます。

また、労働協約(労働組合と会社の協定のことです。労働組合がない会社は労働協約を結ぶことができません)で定めた場合は通貨ではなく現物支給をすることができます。

直接払いの原則

賃金は労働者本人に払わなければなりません。未成年者だからといって、親などに代わりに支払うことはできません。

全額払いの原則

賃金は全額残らず支払われなければなりません。したがっていろいろな名目で強制的に賃金の一部を控除(天引き)することは禁止されています。

ただし、労働者の過半数で組織する労働組合、過半数組合がない場合は労働者の過半数を代表する者と労使協定を結んでいる場合は認められます。

また、所得税や社会保険料など、法令で定められているものの控除は認められています。

毎月1回以上定期払いの原則

賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければいけません。したがって、「今月分と来月分を来月まとめて払う」ということは認められません。

支払日を「毎月20日~25日の間」や「毎月第4金曜日」など変動する期日とすることは認められません。

ただし、臨時の賃金や賞与(ボーナス)にはそういう決まりはありません。

その他の決まり

最低賃金制度

賃金は、「最低賃金法」によって、会社が支払わなければならない賃金の最低額が定められています。この「最低賃金」は、正社員、派遣社員、契約社員、パートタイム労働者、アルバイトなどの働き方の違いにかかわらずすべての労働者に適用されます。

関連記事:最低賃金より低い時給は法律違反になる

制裁の制限

懲戒処分の一つとして、賃金の一部を減額することを減給処分といいます。この場合、一回の減給金額は平均賃金の1日分の半額を超えてはいけないことになっています。また、複数回規律違反をしたとしても、減給の総額が一賃金支払期における金額(月給なら月給の金額)の10分の1以下でなくてはなりません。

休業手当の支払

会社の都合で労働者を休業させた場合には、労働者の最低限の生活の保障を図るため、会社は平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければなりません。「働いていないから給料がもらえないのは仕方ない」ということはありません。

関連記事:どういうときに休業手当をもらえるか

給与明細書の交付

労働基準法には給与明細書を必ず渡さなければいけないというきまりはありませんが、所得税法で、給与を支払う者は給与の支払を受ける者に支払明細書を交付しなくてはならないと定めています。

ただし、給与の支払いを受ける者の承諾を得れば、電磁的方法により提供することができます。

給与明細書は、給料がいくら支払われたのか、税金や厚生年金保険料などがいくら引かれているかなどの重要な証拠となるものですから、内容をしっかり確認し、万が一のトラブルに備えて(消えた年金というものがありました)保管しておくべきです。

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違反の申告

賃金について、上記に違反している場合は、労働基準法に違反している可能性があります。労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談しましょう。

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